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トラウベのおはなし 2
yuraさんにお勧めいただき録画を送っていただいたのは
1月28日に放送されたTBSの『情熱大陸』です。

※バーナーは公式HPより転載させていただきました。

番組HPの中で富田さんが陣痛がつき来院した妊婦さんのお腹に
何度もトラウベを使っていたのを見て「はっ!」と思い
先の記事を記したのでした。

富田さんのトラウベは、長くて民族チックなデザインで
何だかそれまでの経験・歴史の深さまで刻まれている気がしました。

現在39歳。10年以上フィリピンで活躍されている助産師さんです。


彼女は中学でお父様がなくなり、お母様お一人の手で育ったそうです。

彼女の看護師の国家試験の合格発表日
「合格したよ。」とお母様に電話連絡し、お母様はそれまでで一番喜んでくれ
「今日は帰るからね。」と電話を切り帰宅したところ、
待っても待ってもお母さんが帰らない。

母をさがしたところご近所のおじさんに
「昼ごろ交通事故があったから、もしかしたらあんたのお母さんかも」
と・・・それが事実だった。


彼女は番組の終わりで涙を浮かべながらその話をしていました。

「建物建てるのも薬買えるのも、母が残した保険金のおかげです。」
そう現実的なこともお話されていたけれど、
とても身近な大事な人の死を経験した人にある強さみたいなものを
なんだか感じた気がします。

私の師匠も息子さんの死をきっかけに、
お産かかわる仕事を本格的にされましたし。

そこにはやはり生と命に対する強い関わりを持ちたいと
何か感じるものがあるのかもしれません。
その強さというものを彼女にも感じました。


彼女は看護師となり、助産師免許を取得し青年海外協力隊に参加。
そこでは自宅出産が多く、近代的な出産のありかたに疑問を持ち
「日本で勉強した助産師としての技術は必要なかった」と
彼女は話されていました。お産はだただた見守るだけ。

「私たちは技術は必ずそうすべきなのではなくて
まずは持っているだけでよくて必要な時に出せばいい。」


「人間はほんと強いです。」

そう彼女はそう言っていました。


私も実際のお産にたち合せていただき
治療をさせていただいた経験からもそう感じます。

誰が教えたわけでもないのに、赤ちゃんは陣痛を起こして
お母さんの体は子宮収縮をして、赤ちゃんはその収縮にのって
いきまなくても赤ちゃんがするりと生まれます。

ただただお母さんは陣痛発作がきたら「ふぁー」と力を抜けばいい。

(必要な時もあるけれど)力まなければ過度な負荷が
赤ちゃんにもかかりませんし、お母さんの体にも負荷がかからず
切れないし出血もとても少ないです。

赤ちゃんにも血がつかないでほんとうに"つるり"

赤ちゃんの顔をただぬぐえば「ほぎゃー」と産声をあげてくれて
きれいなままのうまれたての赤ちゃんをお母さんのお腹に
のせてあげれることができます。

ただただ待つのが傍にいて必要な時に
持っているものを出すだけ。それが私たちの仕事でした。


13年前、フィリピンに派遣。
そこで彼女は植林の仕事に携わるご主人に出会いご結婚され、
二人の娘さんのお母さんになられたそうです。

そのお産はご主人の協力を仰ぎながら
自分で取り上げたそうです。

「陣痛がきて自分で診察したら子宮口が2センチ。
こんなに痛くて長く続いてるのに2センチ?」とびっくりされたとか。
「今更病院で産ませてくださいとは言えないよな。」
と必死だったとおっしゃっていました。


フィリピンでは医療者が陣痛のついたお母さんのお腹を無理やり押し出し
死産のが日本より10倍も高いとおっしゃっていました。

「フィリピンでもただただ待ってくれるお産をしてくれれば
私の仕事はいらない。日本に帰りますよ。」

そんなこともおっしゃっていました。


私自身、待つお産の現場を数多く経験させていただいた今では
自分が次に生めるのなら、待っていただけるお産をしたいと願います。

それに望むにはそれなりの体は自ら作っておかねばなりませんが。


番組の中で、彼女は産婦さんにお灸もされていました。

お産の長引いているお母さんにされていましたね。

母体に負担がかかると判断したとき、陣痛促進にお灸をされていました。

はじめのうちはお灸をした際は、現地の方にはとても怖がられたとか。

カマヤミニみたいなお灸だったけれど。火のつけ方が大胆でした。
ろうそくの火から「さっ」と火をつけてツボにペタっと。

ちなみに私たちお産にかかわる鍼灸師はチマチマと
とっても小さく米粒半分くらいのもぐさにお灸します。
時に熱く感じるお灸もするけれど、
チッチッと感じる程度でやけどはさせません。


とにかくこれまたすごい助産師さんがいるんだと、
そして、命の輝きに、お母さんの強さに感動する番組でした。
| 産科の鍼灸師への道 | comments(2) | -
コメント
★yuraさんへ
DVDホントありがとうございました!
yuraさんとの視点違いってどんなことなんでしょう?
こんど聞いてみたいです^-^
| なちゅら→yuraさん | 2007/02/20 7:09 PM |
ね〜素敵ですよね、富田さん。
なちゅらさんがこんなに感動してくれて、
送ったかいがありました。
私とはちょっと視点が違う点もおもしろい。
やっぱり職業の違いでしょうか。
| yura | 2007/02/20 11:51 AM |
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