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師匠に会いにゆく 6 (お産、小休止)
☆「師匠に会いに行く」シリーズのはじめは→こちら

お産つけの灸の1回目が終わったあと・・・
午後8時半頃、産婦さんのご家族が来られた。

今回立ち合わせていただく産婦さんはお二人目のお産で
いらっしゃったのは上のお子さん(2歳)と、旦那さん、
そして、旦那さんのお母さん。
(義母さんは、ほぼ上のお子さんをみる係りのご様子。)

産婦さんの夕食が出て、お部屋に助産師の先生が運ばれた。
「お腹に入れといてね。お産は体力勝負だから。」
と声が聞こえてくる。

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「ちょっとご家族来るの早かったなぁ。」と師匠がつぶやいた。

「ご飯食べ終わったらお産進むなぁと思ってたけど、
上のお子さんがいるから、
お母さんの意識下では自分の陣痛どころではなくなるのよ。
そろそろ子供は眠くなる時間だし、
お産が進むのは上のお子さんが寝てからやね。」と。
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師匠が暦表で満潮が何時か調べた。満潮は翌日の午前2:10。

師匠と助産師の先生が
「生まれるのは明日だね。」と自然に会話する。
(※潮と月とお産についての参考記事→こちら)
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産婦さんが夕食を食べ終えて、お膳が下げられた。

産婦さんも元気元気。食事も美味しかったそうでよく食べられた様子。

軽い陣痛が5分間隔ほどで来ているみたいだけれど、
ご家族と会話する元気な声が聞こえてきて、
私でさえ「まだまだ生まれないな」とわかる。
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午後10時頃

少し陣痛も強くなってきた模様。

お布団の上で生みたいと産婦さんのご希望もあり、
助産師の先生がいつ生まれてもいいようにと和室の準備を着々と行う。

産婦さんと旦那さんが落ち着く和室の布団のある部屋に移る。

薄暗く雰囲気のよい間接照明の部屋に、付き添う旦那さんも
「わぁ、落ち着く素敵な場所だねぇ。」と感動されていた。

上のお子さんは眠いけれど、まだまだぐずっていて、
時々陣痛の来るママに異変を感じたのか、
「抱っこしてくれないと眠れない!」とぐずりながら伝えている。

パパはママにつきっきりで腰をさする。

「ママはポンポンが痛くて抱っこできないの。
いつもネンネするときは、抱っこしないでネンネできるでしょ。」
とママさん。

おばあちゃんが「ばぁばが抱っこしてあげるよ。」と
お孫さんに声をかけるが
「やぁだ。ママ、抱っこ!抱っこ!」ときかない。

ママはさすがに抱っこはできないけれど、
どうやらママのすぐ脇にお子さんがゴロンとしている模様。

・・・これはまだまだお産がすすまないと判断して、
お産のために部屋を締め切り冷房を止めた
その和室の隣の部屋にいた私と師匠は、
まだまだ休憩、お子さんが寝てからだね。と
一旦助産院を出て、外の風に当たりに行く。
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その時、お産の手伝いをするもう一人の助産師さんがやってきた。

助産院の玄関で会い「どう?お産進んでる?」と会話する。

「上のお子さんいるからお子さん寝てからだねぇ。
満潮は2時だから、明日になったらだよ。」
と師匠とその助産師さんが当たり前のように会話する。

「そっか。じゃ、私も一息しときましょ。」と
その助産師さんもお産に向けて着替えをして、一息つかれた。

お手伝いに来られた助産師さんは、助産歴50年以上だそうだ。

師匠が「なちゅらさんはあと40年はお産にかかわれるねぇ!」と言い、
ベテラン助産師さんと二人で私にはっぱかけて下さった。
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外で師匠と2人、風にあたりながら小休止。

そこで、師匠のなくなったご長男の話をはじめて聞いた。

わが子をなくした辛さ。
それからの這い上がれないかと思うほどの日々。
段々と辛さからある種の決意にかわり、
それがどんどん湧き上がる事など・・・。

師匠のひとつひとつの言葉が、
私が今まで時を過ごしてきた日々と重なって、少し涙ぐんでしまった。

でも、この師匠なら言葉にしなくとも私の思いまでわかって下さって
お産の現場に付き添うことはすごく大変なことだけれど
ずっとついていけると確信した。

また、お子さんをなくしてからの師匠の活動を聞いた。

それは本当に目を見張るほどの頑張りだった。
どうしてなんだろうと疑問があれば、
相手がどんな有名な先生であろうと
その分野の先生にその疑問をぶつけたずねてまわったそうだ。

助産師や産科医師の勉強会にも、
鍼灸師でも参加させてくれるところには
一人で足しげく通いつめ、学び、そこから人脈をつくり、
「うちでお灸してくれないか?」という産科医が増えて
今の師匠の活動がある。

私はまだまだ生半可。

・・・・・そう悟った会話だった。
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